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私のペン画について


私のペン画は、多くのペン画家のそれと大きく異なる点があります。


それは、ペンのほかに筆を多用することにあります。


したがってペン画と呼ぶには少しとまどいがあります。


通常は線を、タテ・ヨコ・ナナメに重ねることで明暗を出しますが、


私の場合、線を太く、細くする事でその明暗を出します。


古くはダビンチのデッサンや、デューラーの銅版画に見られますが、


私はペンとミゾ引き()との併用で描きます。


それによって、ペン画では難しいとされた人物、特に人の肌の表現などが可能になりました。


なによりペン画では凹凸がよりリアルになります。


そして最大の特徴は、拡大に耐えないとされたペン画が、数倍・数十倍に拡大したとしても


より見栄えや迫力が出るように思います。


線を重ねたペン画は、網目がかって光沢が出にくいのですが。この技法では光沢の表現も可能です。


ガラス棒で定規のミゾをなぞりながら、筆が自由に動き、上下・太く細く・そして曲線を引けるまでには


時間と労力が必要となります。


簡単にはできないという唯一の難点もありますが、


私の独自の技法であり、国の内外にも他にはいないと自負するところであります。





2003年8月 斎藤信男



ミゾ引き

古くからある日本画の技法。

30cmの定規になぜミゾがあるのかご存知でしょうか。

これは、丸い球のついたガラス棒を用いて線を引く為のものです。

日本画では古くから髪の毛などを描くのに用いられていました。

 
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